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    現場の血と汗を知る技術者が、電力インフラの未来を切り拓く

    更新日:2026.4.21

    公開日:2025.6.30

    「現場の課題」を知っているから、本気で動ける

    イノベーション推進部の一松です。2025年12月にイノベーション推進部に異動してきたばかりで、まだ新しい仕事に慣れている最中ですが、変電所の保守現場から水力発電所の遠方制御、さらにはカンボジアでのスタートアップ支援まで、12年以上にわたるキャリアで身につけてきた「現場感覚」を、ここでの仕事に活かしていきたいと考えています。

    周囲からは「現場に引っ張られすぎる」と言われることもあります。でも私は、それがむしろ自分の強みだと確信しています。老朽化した設備、減り続ける保守人員、メーカーのサポート終了で宙に浮いた部品——これらは教科書に書いてある課題ではなく、私が現場で直接向き合ってきたリアルな問題です。だからこそ、それを解決するスタートアップの技術や熱量に、人一倍のアンテナが立つのだと思っています。

    変電所から制御所、そしてカンボジアへ——多様な現場で積み重ねたキャリア

    2013年に技術職(水力変電系)として入社し、最初の配属先は東京・町田にある西東京変電所でした。高度経済成長期に当社の原点でもある佐久間発電所などから送られてくる275キロボルト級の超高圧電力を段階的に降圧し、都心へ供給するための重要拠点として建設された変電所です。現在は、沿岸の火力発電所で作られた電気も含め、都心に電気を安定供給する重要拠点です。そこで2年間、変電設備の保守業務に携わりました。

    その後は川越の制御所に異動。水力発電所を遠方から24時間監視・操作するという三交代勤務の現場で、5年間を過ごしました。この間に結婚・子育てとライフステージも大きく変わり、仕事と家庭の両立に頭を悩ませることも少なくありませんでした。それでも振り返れば、公私ともに密度の濃い時間を過ごせた5年間だったと思っています。

    さらに本店(送変電ネットワーク部門)への異動を経て、大きな転機となったのが人事労務部主催の海外ジョブチャレンジです。カンボジアのソーシャルスタートアップに3ヶ月間飛び込み、低所得者向けの住宅事業を手がける現地企業で課題解決に挑みました。当初はプレゼン資料を作っても全く効果が出ない日々。しかし最終的には日本通運のカンボジア現地法人とのコネクションをゼロから作り、現地工場スタッフを連れて見学させることで工場環境の改善を実現しました。言葉も文化も違う環境で「どう伝えるか」よりも「何を見せるか」が重要だと学んだこの経験は、スタートアップとの向き合い方を考える現在も、じわりと活きています。

    帰国後は本店勤務で技術的な限界と向き合う時間もありました。「もう一度、現場で手を動かしたい」という思いで自ら申し出て函館(直流送電設備)へ赴任。2025年11月まで現場に戻り、交流とはまったく異なる技術体系を持つ、北海道と東北を結ぶ直流送電設備と格闘しました。

    電力インフラの「死角」を照らしたい

    イノベーション推進部に異動してまず感じたのは、スタートアップ生態系の広さと多様さです。ヘルスケア、食品、フュージョンエネルギー、リバースエンジニアリング——毎週のように異なる領域の方々とお会いしています。Plug and Playさんのイベントに参加しながら、ネットワーキングの輪を広げているところです。

    その中で私が特に強く関心を持っているのが、電力インフラの保守・維持を支える技術領域です。変電所や制御所では、メーカーがサポートを終了した機器をだましだまし使い続けるケースが珍しくありません。熟練した技術者は高齢化し、人材も減り続けている。しかし危険を伴う重電設備の保守を止めるわけにはいかない——この構造的な課題は、私自身が現場で何度も頭を抱えた問題です。

    先日、八王子に拠点を置くリバースエンジニアリング専門のスタートアップを訪問しました。3名ほどの小さなチームながら、大手メーカーから「この部品を再現してほしい」という依頼が絶えない会社です。設計図のない部品でも一から作り直せる確かな技術力——その姿に、老朽化インフラの未来を切り拓くヒントを見た思いがしました。

    また、データセンターや半導体工場の急増に伴う電力需要の逼迫も、いま最も注目しているテーマの一つです。日本のエネルギーを長年支えてきた発電所の多くが老朽化している現実、そして電力が足りなければAIも半導体産業も成り立たないという事実は、もっと広く知られるべきだと思います。J-POWERは、発電資産と全国規模の送変電インフラを持つ会社として、ここに最も大きく貢献できる立場にあると確信しています。

    30年後の子どもたちに、安定したエネルギーを残すために

    8歳の息子と4歳の娘が30年後に大人になったとき、電力が不安定で困るような社会は渡したくない——突き詰めると、私の原動力はそこにあります。

    大企業の持つアセットと実証フィールド、スタートアップの持つスピード感と突破力——その二つをうまく掛け合わせることができれば、電力インフラが抱える課題の多くは解決できると信じています。ボトムアップで組織を動かし、スタートアップと本気で伴走する。それが、いまの私の役割だと思っています。

    まずはお会いして、腹を割って話せることを大切にしたいと思っています。技術に熱い思いをお持ちのスタートアップの方、特に以下のような領域にご関心のある方、ぜひお声がけください。

    • 老朽化した電力設備の保守・部品調達・リバースエンジニアリング

    • 変電・送電現場のDX・省人化・ロボティクス

    • データセンター・半導体工場向けの電力安定供給ソリューション

    日本のエネルギーの根幹を、一緒に支えていきましょう。

  • Author

    イノベーション推進部 企画室(探索タスク)

    一松 祥右

    Yosuke Hitotsumatsu

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