J-POWER People
国境を越えたネットワークで、新たな価値創造に挑む
更新日:2025.12.4
公開日:2025.7.1
探索から事業化までグローバルな視点で架け橋を
イノベーション推進部のコイルル リザル アルダウシです。私はオープンイノベーション担当として、海外スタートアップとの連携を通じた新規事業の探索と事業開発に取り組んでいます。
インドネシア出身としての国際的な視点と、前職で培った国際ネットワークを活かし、海外のディープテック系スタートアップの探索に力を入れています。現在はバイオマスや再生可能エネルギーなど、さまざまなテーマのプロジェクトを並行して推進しています。中にはインドネシアの農業残渣(ざんさ)を活用した液体燃料の事業化を目指すプロジェクトもあり、先日そのプロジェクトの関係で現地へ出張してきました。仕事を通じて母国に貢献できていることが、大きなモチベーションになっています。
日々の業務において重視しているのは、限られたリソースの中で、いかに効率的に質の高い案件を見つけ出すかです。そのために、海外のベンチャーキャピタル(以下、VC)やイノベーションハブなどとのネットワーキングを深め、優れた案件が安定的に集まるパイプを構築することを目指しています。さらに、電力事業にとどまらず、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(以下、CVC)としての「J-POWER(電源開発株式会社)ブランド」が海外でも認知されるよう、一歩ずつ前進していきたいと考えています。
起業家から支援者、そして当事者へ
私はインドネシア・ジャカルタで生まれ育ち、高校卒業後に選んだ留学先が日本でした。その頃から起業に興味があり、ITの知識があればキャリアの選択肢が広がると考えて、大学ではITを専攻しました。
卒業後、起業に向けて技術力を高めようと大手日系IT企業に入社。エンジニアとして技術力を磨くかたわら、旅行系アプリサービスの自主開発にも取り組みましたが、コロナ禍とタイミングが重なったこともあり、そのアプリサービスがビジネスとして花開くことはありませんでした。
この失敗から、技術だけでなく経営についても学びたいという意欲が新たに芽生え、スタートアップを支援する側となるVC兼スタートアップアクセラレーターへと転職しました。そこでは約3年間、エネルギー、環境問題、電力分野のイノベーション推進案件を担当し、J-POWERのイノベーション活動も支援することになります。
次第に自分自身が起業することよりも、支援を続けたいという気持ちが高まっていきました。目標が変わっていったのは、支援を通じて経営者がいかに大変であるか実感したからでもあります。資金面の支援だけでなく、より本質的かつ包括的な戦略支援もできる“当事者”になりたいという想いが強まり、2024年にJ-POWERへ入社しました。VCからCVCへの転職は珍しいといわれますが、自分がやりたいことにより近づけると確信しています。
探索と事業化の両輪を回し続ける組織づくり
私が現在関心を寄せているテーマは、日本の高い技術力を海外に発信し、グローバルスケールの新ビジネスを実現することです。前職では探索業務の8〜9割が海外スタートアップでした。その経験を活かし、J-POWERでも海外との架け橋として取り組んでいきたいと考えています。
ヨーロッパでは政策支援を背景にクライメートテックが活発で、米国東海岸では大学・研究機関を基盤としたディープテックが強く、アジアでは豊富な資源を活かしたバイオマスや養殖が進展しており、こうした地域ごとに得意とする事業領域は異なります。それぞれの特徴を踏まえ、各国に適したテーマにフォーカスすることが重要です。たとえば日本のバイオマス利活用技術は農業残渣の多いアジアで親和性が高く、土地制約が大きい日本では未利用スペースの可能性を引き出す欧米スタートアップの先進的な再エネ技術が特に刺さります。
このように、日本の高い技術力を海外に発信するだけでなく、海外スタートアップの技術を既存事業に取り入れる形の取り組みも同時に進んでいます。直近では、出資先である米国のペロブスカイト太陽電池スタートアップ・Active Surfaces社の製品を用いた日本での実証計画を進めています。こうして連携先をグローバルに広げていくのに伴い、組織強化も図っていく必要があると考えています。
というのも、事業探索をした担当者がそのまま事業開発も担う現状の体制では、探索に充てられるリソースが限られるからです。10年先の未来を見据えた“種撒き”を効率的に継続していくためには、外部から自然と案件紹介が来るようなパイプを作り、強化していかなければなりません。
日本の技術力は世界トップレベルですが、それが伝わりきっていないのが課題です。日本のスタートアップが持つ素晴らしい技術を、もっと世界にアピールできるよう支援していきたいです。また「J-POWERが出資した」という事実は、スタートアップが海外進出するうえで大きなアドバンテージとなり、逆に海外スタートアップにとっても、 日本での実証実績が高い品質や信頼性を裏付ける証となります。評価基準が高いからこそ、そのハードルを超えたことがアピールポイントとして活きるのです。こうした自社の強みや立ち位置を活かしつつ、グローバル・ネットワークを通じた価値創出に今後も注力していきます。

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イノベーション推進部
コイルル リザル アルダウシ
Khoirulrizal Aldausi
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