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環境微生物研究所
更新日:2025.10.28
公開日:2025.9.30
雑草や野菜くずなどの植物系廃棄物をエネルギーに変える
環境微生物研究所株式会社(以下、環境微生物研究所)は、牛の第一胃(ルーメン)から得られるルーメン液を用いて雑草や野菜くずといった植物性残渣(ざんさ)を効率的に処理し、メタンガスや電気を創出する、メタン発酵システムの開発・販売を行っている石川県立大学発のスタートアップ企業です。
メタン発酵はバイオマス資源からエネルギーを生成する方法として広く用いられますが、繊維質の多い植物性残渣の処理には適していないため、植物原料から十分にメタン発酵を行うことはできません。しかし、環境微生物研究所では、牛のルーメン内に生息する微生物が草や葉などの固形物を分解してエネルギーを取り出していることに着想を得て、牛体内から取り出した微生物群集をタンクで培養する装置「GEPソリューション」の開発に成功しました。

植物工場や農場などから出る植物性残渣は、現在多くが焼却処分されており、資源としての有効活用が十分に進んでいないのが現状です。しかし環境微生物研究所の技術を活用して発酵処理をすることで、処理費を削減するとともに発生するバイオガスを資源化し、循環型社会の実現に貢献します。
また、ルーメン液(GEPソリューション)を用いることで植物性残渣のみでも発酵可能であり、さらに停電時でも発酵を継続できる仕様を開発し、このシステム一式を「エコスタンドアロン」と名づけました。エコスタンドアロンは、災害時の熱源・電源としても活用可能です。2024年1月より実証実験を開始し、メタン生産能力の評価を行うとともに、災害時の防災インフラなどに活用できるよう、社会実装を目指しています。
分散型・循環型社会の実現に向けたソリューション
代表取締役社長の馬場保徳氏は、キユーピー株式会社研究所や東北大学大学院農学研究科で研究員を務めた経歴を持ち、現在石川県立大学生物資源工学研究所の准教授をされている方です。東北大学在籍時に東日本大震災で被災した経験から、雑草から電気を作る研究を始め、その研究成果を社会実装するため、2022年8月に環境微生物研究所を設立しました。
J-POWERは発電所を建設し、大規模に発電を行い、電力卸売りを全国で展開してきました。一方「BLUE MISSION 2050」のもと、脱炭素や分散化・循環型社会に貢献することも掲げています。環境微生物研究所のメタン発酵システムを用いたメタンガスや電気の創出が、J-POWERが目指す未来を実現するソリューションの一つになるのではないかと考えています。また、J-POWERの発電所は全国各地に設置されていることからも、地域との共生は大きなテーマです。災害時の防災インフラにもなるシステムを設置することは各自治体への貢献になり得ると判断し、投資を行うことに決めました。
(環境微生物研究所株式会社 公式Webサイト:https://emi-methane.com/)
Company
環境微生物研究所株式会社

Author
イノベーション推進部
中西 賢
Ken Nakanishi
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環境微生物研究所株式会社
Auther

イノベーション推進部
中西 賢
Ken Nakanishi
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