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更新日:2026.2.12

公開日:2026.2.17

若手建築職による「ものづくり研修」——デジタルファブリケーションで学ぶ、素材と構造の本質

    発注者の視点に、実体験を伴う「技術眼」を

    J-POWERの建築職は、大規模な発電所や関連施設の建設・維持管理において、主に発注者として設計・施工のコントロールを担います。建物の要求仕様や設計条件の整理ならびに現場での設計監理が主な業務となる中では、実際の建材の加工や、自らの手で構造を組み上げる機会は限られています。

    技術者として、図面の先に存在する「素材の手触り」や「納まり」の実感を養うこと、そして普段は異なる現場や業務を担当する若手社員同士の技術的な交流を深めることを目的に、建築職を対象とした「ものづくり研修」を実施しました。

    森林の現場からデジタル加工による実装まで

    今回の研修は、デジタル技術を活用した建築の知見を持つVUILD株式会社の協力のもと実施されました。プログラムはまず、オンラインによる事前の設計協議から始まりました。若手社員たちが自ら企画した構造物を図面に落とし込み、デジタル加工機での出力に最適化されたデータを作成する工程は、通常の業務で行う大規模建築の設計とは異なる視点や工夫が求められる貴重な機会となりました。

    続く現地研修では、岐阜県の御母衣ダムを流れる庄川の流域周辺に位置する「TOGA森の大学校」(富山県南砺市)を訪問し、木材が切り出される最上流の現場を体験しました。現地で建築・土木事業を展開する株式会社長田組の協力のもと、伐採から製材に至るプロセスを直に学び、素材がサプライチェーンを経て建築資材へと形を変えていく上流工程を体験することで、資源の成り立ちへの理解を深めています。

    その後、コンピュータ制御(CNC)により、木材などを「切る・削る・彫る」といった加工を自動で行うデジタル工作機械「ShopBot(ショップボット)」を用いた部材の切り出しを行いました。事前の設計データ通りに正確に加工されていく精度を自ら確認した後、サンディングを施し、自分たちの手で一から構造物を組み上げました。設計から加工、そして完成に至る一連の流れを自ら完結させる体験は、実感を伴う技術研鑽の場となりました。

    現場感覚を備えた建築職としての成長

    研修を通じて、参加者からは「部材の接合部や納まりを実体験として理解できた」「自分で手を動かすことで、設計条件の一つひとつが持つ意味を再認識した」といった声が上がりました。

    また、今回は単なる製作体験に留まらず、若手社員自らが「何を作るか」の企画・設計段階から関与し、オンラインでの設計協議を経て図面化を行うプロセスを経験しました。発注者としての役割を果たす上でも、こうした「ものづくり」の根幹に触れる経験は、建物の要求仕様や設計条件の精緻化、設計・施工における要注意点の把握、現場との円滑なコミュニケーションを支える確かな土台となります。

    自律的な研修への進化

    今回で2回目となる本研修は、建築職における若手育成の重要な機会として参加する若手社員自らが「何を学び、どのような技術を習得すべきか」という、研修内容を吟味するプロセスから主体的に取り組む、より自律的なプログラムへの進化を目指しています。

    J-POWERは、次世代を担う技術者が多様な知見に触れる機会を継続的に提供し、技術力の継承と向上に努めてまいります。

  • イノベーション推進部

    山本 亮

    Ryou Yamamoto

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