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更新日:2025.10.29
公開日:2025.10.28
SX Lab――事業計画段階から共創するスタートアップ支援の最前線
Sustainability Transformation Startup Lab (以下、SX Lab)は、J-POWER(電源開発株式会社)とSpireteが2024年度に共同主催し、サステナブルな社会の実現を目指す起業家や研究者に資金提供と事業化支援を行ったインキュベーション・プログラムです。
J-POWERイノベーション推進部は、カーボンニュートラルと地域社会への貢献を目指し、スタートアップとの連携を通じ、既存の電気事業に依存しない革新的な技術やビジネスモデルを社会実装することで、持続可能な未来を志向しています。
その取り組みを進める過程で、これまでJ-POWERが出資を行ってきたスタートアップについてはある程度事業ステージが進んできており、すでにプロダクトや事業の方向性が確立している会社が増えてきています。そういったケースでは、J-POWERのアセットや事業とどのように連携するかが課題になることがあります。
そこで、より早い事業ステージのスタートアップに出資を行い、事業計画設計段階から共創の取り組みを描く可能性を模索し、SX Labを立ち上げました。
SX Labが対象としているのは、サステナブルな社会の実現に資する技術や事業アイデアを持つ起業家や研究者です。
法人化していない段階でも投資の対象とした点は、J-POWERとしても新たな挑戦です。もちろん早期の出資にはリスクも伴います。そのリスクを考慮しながらも、共に事業を構築し、スタートアップの成長を促すことが本プログラムの目指すところでした。
今回SX Labプログラムを進めるに当たっては、Spireteと綿密に連携して運営を行いました。Spireteは、企業や大学、起業家が持つ技術シーズ・事業アイデアの事業化支援を行うスタートアップスタジオです(Spirete公式サイト:https://www.spirete.com/)。以前よりJ-POWERとSpireteは、J-POWERが長年研究開発を進めてきた微細藻類の事業化プロジェクト(ソラルナプロジェクト)で共同検討を進めてきましたが、広くスタートアップ探索や新事業創出について議論する中で、新たな取組みとして今回のプログラムを開催することになりました。
サステナビリティの観点から有望なスタートアップを伴走支援
数多くの大学の先生や産学連携窓口、スタートアップへの声掛けからプログラム紹介を始め、実際に応募いただいた40チームを対象に、書類審査や面談などの一次審査を行い、最終的に6チームへと絞り込みました。
J-POWERとSpireteはその6チームに対して、事業プラン作成や顧客ヒアリング、人材紹介といった実務的な伴走支援を約半年間にわたって行いました。そして2025年3月、最終審査として改めて事業プランのプレゼンの場を設けました。
その最終審査を通過したのが、ハイドロヴィーナス、Watasumi、環境微生物研究所です。2025年春以降、3社それぞれと具体的な出資条件等に関する協議を進め、2025年8月にJ-POWERから3社に対して出資を実行しました。

(右より、J-POWER 中嶋、環境微生物研究所 馬場氏、ハイドロヴィーナス 上田氏、Watasumi David Simpson氏、Spirete 渡邊氏)
SX Labの取り組みを通じて、将来性のある有望なスタートアップとのネットワークを構築できたことは、J-POWERにとって大きな成果です。また、事業プランの構築段階から伴走支援を行うことで、個社の事業理解を深めるだけでなく、多角的に市場ニーズを捉えられたことも、今後の新規事業創出に良い影響をもたらすと考えています。加えて、伴走支援に携わったJ-POWERの社員自身の新規事業開発のスキルも高めることができました。
伴走支援の対象となったスタートアップ側からは、「事業計画づくりの指導が役立った」、「実証実験や顧客紹介などの実務的な支援に助けられた」といった声が寄せられています。ディープテックに挑戦するスタートアップは、一般的には短期間で高い評価を得ることが難しく、資金調達の難度も上がるものですが、その取り組みを「サステナブルな社会への貢献度」という評価軸で捉え直すことで、良い形で事業の成長の方向性を定めることができたのではないでしょうか。またJ-POWERが持つアセットの提供により、各社の事業の可能性をさらに引き出すこともできたと考えています。
独自技術と事業アイデアを持つ3社と共に描く未来
今回選定した3社の事業は、いずれもユニークかつサステナビリティに長けたものです。
ハイドロヴィーナスは、半円柱型の振り子を振動させて発電する水力発電システム「Hydro-VENUS」を開発しています。水の流れをエネルギー源に変えるサステナブルな発想から生まれたシステムは、天候に左右されない強みを持つだけでなく、魚の移動を妨げない構造をしており、IoT用途でも応用が期待されます。(ハイドロヴィーナス紹介記事:https://innovation-catalog.jpower.co.jp/articles/hydrovenus)

Watasumiは、食品・飲料工場などからの排水を最先端の微生物の技術を使い、有機物を除去すると同時にエネルギーを創出する有機排水処理システムの開発・販売を行っています。同社のシステムは小規模な導入ができて費用対効果もよく、CO2排出量を90%以上削減できるという極めてサステナブルなものです。(Watasumi紹介記事:https://innovation-catalog.jpower.co.jp/articles/watasumi)

環境微生物研究所は、雑草や食品残渣(ざんさ)をメタン発酵させ、災害時のエネルギー自立や肥料循環を可能にする技術を持っています。植物工場や農場などから出る植物性残渣を活かすことは、処理費削減だけでなく、分散型・循環型社会の実現にも貢献します。(環境微生物研究所紹介記事:https://innovation-catalog.jpower.co.jp/articles/emi)

今回の出資は株式発行を通じて行われましたが、そこに3社がJ-POWERの傘下に入ることを決定づける意図はありません。J-POWERの事業との連携はしますが、本プログラムはあくまでスタートアップの成長を加速させることを目的としており、今後の経営方針についてはそれぞれのスタートアップに委ねられています。
J-POWERイノベーション推進部は、今後もスタートアップの成長をサポートすると共に、そのスタートアップが持つ独自の技術やアイデアと自社のアセットを融合させ、カーボンニュートラルや分散型社会への社会実装を加速し、新たな事業領域の創造に挑戦します。

イノベーション推進部
中西 賢
Ken Nakanishi

イノベーション推進部
中西 賢
Ken Nakanishi
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J-POWER Innovation Catalog〜未来を共創する羅針盤
J-POWERイノベーション推進部は、「新たな未来を共に創造する」というミッションのもと、カーボンニュートラル達成と地域社会への貢献という大きな目標に挑戦しています。
この度、私たちの取り組みやビジョンを社内外の皆様と広く共有し、具体的なアクションへと繋げるためのハブとして、オウンドメディア「J-POWER Innovation Catalog」を立ち上げました。本メディアは、私たちの活動を網羅的にお届けする目録(カタログ)であり、未来への羅針盤となることを目指します。
イノベーションの最前線に立つ方々との対話、イノベーション推進部が投資し、共に社会課題の解決と新産業創出を目指すポートフォリオ各社、社内外のCVCネットワーク、そしてJ-POWERの保有するリソースやアセットといった点と点が、Innovation Catalogを通して有機的に繋がり、未来を紡ぐ。Innovation Catalogは連携を通して持続的な世界を築く、未来を照らすカタログです。

